Wind of Destiny

やる気の無い雑記帳

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想起(第9話)

うーんうーん…
10話で終わるかなこれ。
うーんうーんorz
(↓本文)


「うーあー」
「何呻いてるの徹。」
「やっぱ出るのやめないか?」
俺は心底いやそうな声を出す。
季節は移り変わって夏。
良い天気だ、そして暑い。
「何言ってるの?
 今回の事決めたのは徹でしょ?」
それはそうなんだが…
こうも暑いと、クーラーの中に逃げ込みたいというか、なんというか。
「ほら行こうよ。
 皆待ってるよ?」
「そうだったな。」
暑いのは諦めて車庫へ向かう。
車に乗り込むと篭った熱い空気。
急いでエンジンをかけ、ひとまず窓を開ける。
……
「遅かったな。」
着いた早々克也がそういってくる。
「またいつもの調子で、家に戻ろうとしたろ?」
「そ、そんな事はないぞ?」
精一杯の虚勢を張る。
青い空が目に痛い。
「それにしても、なんで今回は海なんだ?」
「たまにはいいだろ?」
「まぁたまにはありだと思うけどさ。」
「海は嫌なんだよなぁ、俺泳げ無いからさ。」
後ろから真人の声。
そういや真人は大して泳げなかったな。
「まぁそういうな。
 泳げ無くても楽しみ方はあるだろ?」
着替え終わった真人の横に優衣。
まぁ流石に優衣は泳がないだろうけどな。
「さて着替えてくる。」

「はぁはぁ。」
「俺の、勝ち、だよな。」
「ばかいえ、俺の勝ちだ。」
俺と克也は、今陸からだいぶ離れたところにいる。
遠泳なんてバカな事をやったわけだ。
小さい小島にいる俺達。
俺は防水仕様のポーチからタバコを出す。
「吸うか?」
「あぁ、サンキュ。」
二人して寝転がり紫煙を吹かす。
暫く無言が続いた。
「なぁ徹。」
「なんだ?」
「お前は今幸せか?」
「何をいきなり。」
急に変な事を言い出す奴である。
暑さにやられたか?
「ま、幸せと言えば幸せなのかな。
 お前等とバカやれるし、大事な奴はいるし。」
「そうか、ならいいんだ。」
「何がだよ。」
「お前を見てても幸せそうだし、真人は幸せの真っ只中っぽいし。
 聞いてみただけだ。」
「そういう克也はどうなんだ?」
「俺か?
 どうなんだろうな、気楽ではあるけどな。」
何なんだ一体。
「なぁ徹。
 お前、もしこの世界が夢だったらどうする?」
「どういうことだ?」
「この世界は、誰かが見てる夢だとしたらってことさ。」
ん?
一瞬、記憶の片隅に何かが過る。
何か似てるな…
「たとえ夢だとしても、誰かが見てる夢だとしても。
 俺は今ここにいる、お前もすぐそこにいる。
 なんか問題あるか?」
「ねぇな。」
「ならいいんじゃないのか?」
「そうかもしれん。」
どっかで聞いたような話だ。
自分で考えた事なのかもしれない。
でも、もし本当にこの世界が夢だとしたら?
次に目が覚めたら違うところにいたとしたら?
「何変な事言ってんだ、お前は。」
横目で克也を見る。
空を見上げたままの克也。
「親がいなくなって、必死に働いてきてさ。
 優衣を嫁にいかせる事もできた。
 もうすぐ俺も甥か姪ができる事になるわけだ。
 幸せなんだか幸せじゃないんだかわからんけど、それでもこれが続けばいいと思ってる。
 なんだ俺、言ってる事が良くわからんな。」
「全くだ。
 お前も早く、大事な人を見つけるといいさ。」
「紹介しろって。」
「そのうちな。」
その後暫く、また無言の時間が続く。
夢をみる余裕なく頑張った克也。
色々考える事もあるんだろうな。
「さて帰ろうぜ。」
「おう、帰りも勿論勝負だろ?」
「受けて立ってやるよ」
潮流の関係上、帰りは至極辛い遠泳になった、とだけ言っておこう。
勝敗?着いたころには忘れてたさ。

「楽しかったね。」
「そうだな、たまには海ってのもいいもんだな。
 疲れたけどさ…」
「あんなところまで泳ぐからだよ。」
ベッドの中でそんな話。
真人がやっぱり泳げなかっただとか、優衣とどんな話しただとか。
そんな他愛もない話。
「なぁ理穂、今幸せか?」
克也の質問を、そのまま理穂に投げかける。
「ん、どうしたの?
 幸せだよ。」
「もし、これが誰かの夢だとしたらどうする?」
「そんなの知らないよ。
 隣に徹がいるからそれでいいの。」
軽く頭を撫でてやる。
夢でも現実でもいいんだ。
「そういえば、昔にもそんな事言ってなかった?」
「そうだっけ?」
「2年ちょっとくらい前にも言ってなかった?」
ドクンッ
鼓動が無駄に高まる。
2年ちょっと前、あの宛先の無い手紙から数ヵ月後。
俺の記憶にポッカリ空いた隙間。
その後の理穂の話を、俺はほとんど聞いてなかった。
相槌だけは打ってた気もするが…
夢・現実・2年と少し前・宛先の無い手紙。
何かを忘れてるような気がする。

(続く)
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